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みえの防災
防災コラム
平成18年09月19日

津波のメカニズム、被害とその対策等について

 東海地震、南海・東南海地震の発生が危惧されている。これらはいずれもプレート境界型地震である。このような地震では境界で生じたプレートの急激な変位が海水の運動を生じさせ、それが津波となって伝播する。プレート境界での破壊の平面的な規模に比べると変位の大きさは小さいため、津波は発生源付近では長さに比べて高さの小さいなだらかな波であるが、波は水深が浅くなると長さが短くなるとともに高さが大きくなる性質があり、沿岸部では波の高さが大きい急峻な波に変化する。狭幅の湾に進入すると幅の減少とともにさらに波は高くなるため、リアス地形は津波に対して特に注意が必要である。
 高さ2mの津波が直撃すると、日本の一般的な木造住宅は全壊すると言われている。一方で、東海地震、東南海・南海地震では地域によりそれを遙かに超える津波の来襲が予想されており、そのような地域では津波の危険性が生じたら即座に避難する必要がある。津波の伝播速度は陸上でもオリンピックの長距離選手に匹敵する。したがって、津波来襲前に如何に早く避難するかが重要である。ただ、避難で生命を守ることができても財産までを守ることはできない。鉄筋コンクリート家屋は木造に比べて津波には強い。住宅建替え時に個人にできる一つの対策であろう。沿岸部にそのような家屋が増えれば背後への津波のインパクトも軽減できる。地域で取り組めばより効果的であり、公的補助はその振興になる。避難時だけではなく、災害に強い街づくりにも自助・共助・公助の有機的な機能が望まれる。そのためには地域にコミュニティーが育まれていることが重要と考える。

名古屋大学大学院
教授 水谷法美

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